「愛の不時着」ファン必見!Netflixで話題のスイス・イゼルトヴァルト湖畔をバーチャル探訪

Netflixで世界的な大ヒットとなった韓国ドラマ「愛の不時着」。北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョクと韓国の財閥令嬢ユン・セリの切ないラブストーリーは、多くの視聴者の心を掴みました。ドラマの魅力の一つは、その美しいロケーション。特に、物語の重要な舞台として登場するスイスの風景は、視聴者に強い印象を残しましたことでしょう。
数あるスイスのロケ地の中でも、ひときわ多くのファンが「聖地」として訪れるのが、ブリエンツ湖畔の小さな村、イゼルトヴァルト(Iseltwald)です。ジョンヒョクが湖畔の桟橋でピアノを弾き、セリが船上からその音色を聴く、あの感動的なシーンの舞台となった場所です。
この記事では、「愛の不時着」ファンなら一度は訪れたい、スイス・イゼルトヴァルトの魅力と、実際に訪れるためのアクセス方法、そして知っておきたい情報や注意点について、詳しくご紹介します。ドラマの世界に浸りながら、美しいスイスの湖畔を旅する気分を味わってみましょう。
イゼルトヴァルト:愛の不時着、あの感動シーンの舞台
イゼルトヴァルトは、スイス中央部、ベルナー・オーバーラント地方に位置する、人口わずか400人ほどの小さな村です。エメラルドグリーンに輝くブリエンツ湖の南岸にあり、周囲をアルプスの山々に囲まれた、絵のように美しい場所です。ドラマが放送されるまでは、静かで穏やかな湖畔の村として知られていましたが、「愛の不時着」のロケ地として一躍有名になり、今では世界中から多くのファンが訪れるようになりました。
ブリエンツ湖畔の桟橋:ジョンヒョクのピアノが響いた場所
イゼルトヴァルトで最も有名なロケ地といえば、やはりブリエンツ湖に突き出す木製の桟橋です。ドラマでは、兄の訃報を受けてスイスから帰国するジョンヒョクが、思い詰めた表情でこの桟橋でピアノを演奏します。そして、自殺を考え湖にやってきたセリが、偶然にもその船上から彼の奏でる美しい旋律を耳にし、生きる希望を取り戻すという、物語のターニングポイントとなる重要なシーンが撮影されました。
実際の桟橋は、ドラマで見たそのままの美しい姿をしています。湖の透明度が高く、光の加減によってエメラルドグリーンやターコイズブルーに色を変える湖面と、背後にそびえる山々のコントラストは息をのむほどの美しさです。桟橋に立つと、まるでドラマの世界に入り込んだかのような感覚になります。
桟橋訪問の現状と注意点
ドラマの大ヒットにより、イゼルトヴァルトの桟橋は驚くほど多くの観光客が訪れるようになりました。特に韓国やアジアからの観光客が多く、桟橋で記念写真を撮るために長い行列ができることも珍しくありません。ピーク時には1時間以上並ぶこともあるようです。
観光客の急増に伴い、桟橋への立ち入りは有料となりました。料金は5スイスフラン(CHF)です。支払いはスイスフランの硬貨、クレジットカード、またはTWINT(スイスの決済アプリ)が利用可能です。日本のクレジットカードも問題なく使えることが多いようです。支払いを済ませると、回転扉を通って桟橋に入ることができます。桟橋の入り口には支払い機が設置されており、駅の有料トイレのような仕組みになっています。お釣りは出ないので注意が必要です。
桟橋の上では、多くの人がドラマのシーンを再現するように写真を撮っています。ピアノはありませんが、ジョンヒョクが座っていたあたりや、セリが船から見ていたアングルなどを意識して撮影すると、よりドラマの世界観を楽しめるでしょう。ただし、混雑時は譲り合って撮影することが大切です。桟橋に入らなくても、湖畔から桟橋全体を眺めるだけでも十分に美しい景色を楽しむことができます。

イゼルトヴァルト村の雰囲気
桟橋だけでなく、イゼルトヴァルト村自体も非常に魅力的です。小さく可愛らしい家々が並び、のどかで穏やかな雰囲気に包まれています。湖畔を散策したり、村の中を歩くだけでも心が癒されます。バス停や船着場の近くには、有料の公衆トイレや小さなスーパー(Dorfladen)もあります。スーパーでは飲み物や軽食を購入でき、クレジットカードも利用可能です。
もう一つのロケ地:オープニングタイトルの場所
イゼルトヴァルトには、桟橋から徒歩10分ほどの場所にもう一つロケ地があります。ドラマのオープニングタイトルで使われた風景です。のどかな田園風景の中に立つ建物で、よく見ると2階に望遠鏡を覗くオブジェが置かれています。桟橋だけでなく、こちらも訪れてみると、ドラマの始まりのシーンを思い出すことができるでしょう。
イゼルトヴァルトへのアクセス方法
イゼルトヴァルトへのアクセスは、インターラーケン・オスト駅(Interlaken Ost)が拠点となります。インターラーケン・オスト駅へは、チューリッヒやベルンなどスイス各地の主要都市から鉄道でアクセスできます。
インターラーケン・オスト駅からイゼルトヴァルトへは、主にバスか船を利用します。
バスでのアクセス
インターラーケン・オスト駅前のバス停から、103番バス「Richtung Iseltwald, Dorfplatz行き」に乗車します。終点の「Iseltwald, Dorfplatz」で下車すれば、村の中心部や桟橋はすぐ近くです。
- 所要時間: 約20分
- 料金: 片道 6.40 CHF(2025年情報)
- パス利用: スイストラベルパスを持っていれば無料、ハーフフェアカードを持っていれば半額(3.20 CHF)になります。
バスは比較的本数も多く、手軽にアクセスできる方法です。
船でのアクセス
インターラーケン・オスト駅を出てすぐの場所に船乗り場があります。ここからブリエンツ湖を渡る船に乗船し、イゼルトヴァルトの船着場で下船します。
- 所要時間: 約45分(経由地によって変動)
- 料金: インターラーケン・オスト ↔︎ イゼルトヴァルト間 片道 19 CHF(2等席、2025年情報)
- パス利用: スイストラベルパスを持っていれば無料、ハーフフェアカードを持っていれば半額(9.50 CHF)になります。
船旅の最大の魅力は、ブリエンツ湖の美しい景色を湖上から満喫できることです。エメラルドグリーンの湖面を滑るように進む船から眺めるアルプスの山々や湖畔の村は格別です。ドラマでセリが船に乗っていたように、船でアクセスするとよりドラマの世界観に浸れるかもしれません。
また、イゼルトヴァルトからブリエンツ方面へ向かう船に乗ると、途中で「ギースバッハの滝(Giessbachfälle)」に立ち寄ることができます。この滝も「愛の不時着」のロケ地の一つです。船から湖に流れ落ちる滝の美しい姿を見ることができ、おすすめです。

バスと船、どちらを選ぶ?
時間優先ならバスが便利ですが、景色を楽しむなら船が断然おすすめです。行きはバスでサクッと移動し、帰りは船でゆっくり景色を楽しみながらインターラーケンに戻る、というルートも良いでしょう。ただし、船は季節によって運行時間や本数が大きく変わるため、事前に時刻表をしっかり確認することが重要です。
スイスの公共交通機関をお得に利用するために
スイスの公共交通機関は非常に発達していますが、その分料金も高めです。イゼルトヴァルトへのアクセスだけでなく、スイス国内を広く移動する予定がある場合は、お得なパスの利用を検討しましょう。
- スイストラベルパス: スイス国内の鉄道、バス、湖船、主要都市の市内交通が乗り放題になるパスです。多くの美術館や博物館も無料で入場できます。長期滞在で広範囲を移動するなら最もお得な選択肢です。
- ハーフフェアカード: 1年間、スイスの公共交通機関の運賃が半額になるカードです。スイストラベルパスほど広範囲を移動しない場合や、登山鉄道などを多く利用する場合にお得になることがあります。イゼルトヴァルトへのバスや船も半額になります。
- ベルン・オーバーランドパス: ベルン・オーバーラント地方内の公共交通機関が乗り放題になるパスです。イゼルトヴァルトやインターラーケン、グリンデルワルト、ラウターブルンネンなど、この地域を中心に観光する場合に便利です。
これらのパスを事前に購入しておくと、現地での切符購入の手間が省け、スムーズに移動できます。特にスイスはキャッシュレス化が進んでおり、切符売り場や券売機での購入に慣れていないと戸惑うこともあります。パスがあれば、提示するだけで乗車できる場合が多く、安心です。
イゼルトヴァルト訪問の計画と注意点
「愛の不時着」の聖地として人気のイゼルトヴァルトを快適に楽しむために、いくつか知っておきたい情報と注意点があります。
ベストシーズンと混雑
ブリエンツ湖の船が運行している春(4月頃)から秋(10月頃)が訪問のベストシーズンです。特に夏休み期間や週末は非常に混雑します。ドラマのシーンをゆっくり楽しみたい場合は、オフシーズンや平日の午前中など、比較的空いている時間帯を狙うのがおすすめです。
桟橋の有料化と支払い方法
前述の通り、桟橋への立ち入りは有料(5 CHF)です。硬貨、クレジットカード、TWINTで支払いが可能です。スムーズに支払えるよう、事前に準備しておきましょう。桟橋に入らなくても美しい写真は撮れますが、せっかくならドラマと同じ場所に立って景色を眺めてみるのも良い経験です。
村内の施設
バス停近くに有料トイレがあります。船の中のトイレは無料です。小さなスーパーもありますが、品揃えは限られています。必要なものはインターラーケンなどで購入しておくのが安心です。
スケジュール管理の重要性
イゼルトヴァルトへのアクセスはバスや船の運行時間に左右されます。特に船は季節によって本数が少ない時期もあります。他の観光地と組み合わせて巡る場合は、乗り継ぎ時間などを考慮して、余裕を持ったスケジュールを立てることが非常に重要です。公共交通機関の遅延なども考慮し、タイトすぎる計画は避けた方が良いでしょう。
イゼルトヴァルト以外にも!スイスの愛の不時着ロケ地
スイスには、イゼルトヴァルト以外にも「愛の不時着」のロケ地が点在しています。イゼルトヴァルト訪問と合わせて、他のロケ地も巡ってみるのもおすすめです。
シグリスヴィル:パノラマ・ブリュッケ(吊り橋)
ドラマでセリとジョンヒョクが初めて出会う印象的なシーンが撮影されたのが、シグリスヴィル(Sigriswil)にあるパノラマ・ブリュッケ(Panorama Bridge)です。トゥーン湖にかかるこの吊り橋は、長さ340m、高さ182mもあり、渡るにはかなりのスリルがあります。橋の上からは、トゥーン湖と周囲の山々の素晴らしいパノラマビューを楽しむことができます。
ドラマでは、飛び降りようとしていたセリに、ジョンヒョクとダンがツーショット写真を撮るように頼むシーンが描かれました。橋の上でセリのように震えるポーズで写真を撮るのも面白いかもしれません。
アクセスは、インターラーケン・オスト駅からバスを利用し、途中で乗り換えが必要です。少し時間がかかりますが、絶景とスリルを味わえる場所です。
ドラマではこの橋のすぐ近くに草原のシーンが続きますが、あの草原はグリンデルワルトのフィルスト展望台付近で撮影されており、実際には離れた場所にあります。

クライネシャイデック
ユングフラウ地方の登山鉄道の要衝であるクライネシャイデック(Kleine Scheidegg)もロケ地の一つです。ドラマでは、駅からのびる坂道でセリとジョンヒョクがパラグライダーを見上げるシーンが撮影されました。
クライネシャイデック駅周辺からは、アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山をはじめとする壮大なアルプスの景色を間近に望むことができます。駅周辺には「CRASH LANDING ON YOU」と書かれたハートマークの看板が設置されており、ロケ地であることを示しています。ハイキングコースも整備されており、美しい景色を楽しみながら散策するのもおすすめです。
アクセスは、インターラーケン・オスト駅から鉄道を乗り継いで行くことができます。
フィルスト展望台
パラグライダーでスイスに不時着したセリと、彼女を探しに来たジョンヒョクが再会するシーンが撮影されたのが、グリンデルワルト(Grindelwald)にあるフィルスト展望台(First)付近です。ここからは、アルプスの雄大な景色を一望できます。
フィルストへは、グリンデルワルトからゴンドラに乗ってアクセスします。展望台にはスリル満点のクリフウォークなどもあり、観光地としても人気があります。時間があればぜひ訪れたい場所ですが、イゼルトヴァルトやシグリスヴィルからは少し離れているため、他のロケ地と合わせて巡る場合は、十分な時間が必要です。
ギースバッハの滝
ブリエンツ湖畔にあるギースバッハの滝(Giessbachfälle)もロケ地の一つです。イゼルトヴァルトからブリエンツへ向かう船で立ち寄ることができ、船上からも滝の美しい姿を見ることができます。滝の近くには歴史あるホテルもあり、ケーブルカーで滝の途中まで登ることも可能です。
スイス旅行全体のヒント
「愛の不時着」ロケ地巡りを含むスイス旅行を計画する上で、いくつか役立つヒントをご紹介します。
- 公共交通機関の利用: スイスは公共交通機関が非常に発達しており、鉄道、バス、船などを乗り継いでほとんどの観光地へアクセスできます。時刻表はオンラインで簡単に調べられますが、乗り継ぎや遅延には注意が必要です。切符購入はキャッシュレスが基本ですが、券売機の操作に慣れていない場合は、窓口やオンラインでの購入、またはパスの利用が便利です。
- 物価の高さ: スイスは全体的に物価が高い国です。特に外食は高額になる傾向があります。スーパー(COOPやMigrosなど)を利用して食料品や飲み物を購入すると、費用を抑えることができます。フルーツなどは新鮮で美味しいですが、こちらも日本より高めです。
- ツアーと個人手配: 添乗員付きのツアーは、移動や宿泊の手配を任せられるため安心で楽ですが、自由な行動は制限されます。個人手配は、自分のペースで自由に観光できますが、移動手段や宿泊先の手配、時刻表の確認などを全て自分で行う必要があります。ロケ地巡りのように特定の場所をピンポイントで訪れたい場合は、個人手配の方が融通が利くことが多いですが、公共交通機関の利用に慣れていない場合は少しハードルが高く感じるかもしれません。ツアーの途中離団という選択肢もありますが、その場合の交通手段や宿泊の手配、ツアー代金の扱いなどを事前にしっかり確認しておく必要があります。
まとめ:ドラマの世界と現実の絶景が出会う場所
「愛の不時着」の舞台となったスイス、特にイゼルトヴァルトは、ドラマファンにとって特別な場所です。ジョンヒョクとセリの物語に思いを馳せながら、エメラルドグリーンの美しい湖畔に立つ桟橋を訪れる体験は、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
人気の高まりによる混雑や桟橋の有料化など、訪問にあたって注意すべき点はいくつかありますが、それを差し引いても、イゼルトヴァルトの自然の美しさとドラマの世界観が融合した魅力は色褪せません。バスや船でのアクセス方法を事前に調べ、お得なパスの利用も検討しながら、計画的に訪れることで、より快適に楽しむことができます。
イゼルトヴァルトだけでなく、シグリスヴィルの吊り橋やクライネシャイデックなど、他のロケ地も巡ることで、「愛の不時着」の世界をより深く体験できるはずです。スイスの壮大な自然の中で、ドラマの感動を再び味わう旅に出かけてみませんか?
この記事が、「愛の不時着」ファンの皆さんのスイス旅行計画の参考になれば幸いです。美しいスイスの景色とドラマの世界に、心ゆくまで浸ってきてください!