東京駅「駅弁屋 祭」で選びたいご当地駅弁:旅のお供にぴったりの逸品

旅の始まりは、いつだってワクワクするもの。特に新幹線や特急列車に乗る前、東京駅で立ち寄りたいのが、全国各地の美味しい駅弁が集まる「駅弁屋 祭 グランスタ東京」です。まるで日本全国を旅しているかのような豊富な品揃えは、見ているだけでも楽しく、どれにしようか迷ってしまうほど。今回は、そんな「駅弁屋 祭」の魅力と、最新の人気ランキング、そしてランキング外でも見逃せない注目のご当地駅弁をご紹介します。あなたの次の旅のお供を見つける参考にしてください。
「駅弁屋 祭 グランスタ東京」とは?
東京駅構内、改札内の中央通路エリアに位置する「駅弁屋 祭 グランスタ東京」は、「日本一の駅弁屋」を目指し、毎日150種類、多い時には200種類を超える駅弁を取り揃える専門店です。北海道から九州まで、全国各地の有名駅弁や期間限定の駅弁が一堂に会し、まさに「毎日が駅弁まつり」を体感できます。
ブランド肉を贅沢に使ったもの、新鮮な海の幸が自慢のもの、郷土料理を詰め込んだものなど、その種類は多岐にわたります。昼夜を問わず多くの人で賑わっており、特に連休中などは大変な混雑を見せます。しかし、レジカウンターが多く、Suicaなどの電子マネーも利用できるため、会計は比較的スムーズです。
店舗の場所は、JR東京駅構内 グランスタ東京1階の中央通路エリア。丸の内中央口から新幹線改札方面へ進み、山手線・京浜東北線ホームへの階段と上野東京ラインホームへの階段の間にあります。営業時間は朝5時30分から夜22時までと長く、早朝の出発や遅い時間の到着でも利用しやすいのが嬉しいポイントです。
混雑を避けたい場合は、早朝や夜遅い時間帯が比較的空いている傾向にあります。また、時間がない場合は、人気商品に絞って販売している姉妹店の「駅弁屋 踊 グランスタ東京」(新幹線乗換口前)や、2024年8月に誕生した「駅弁屋 祭 セレクト 新幹線南乗換口」を利用するのも賢い方法です。これらの店舗では、「駅弁屋 祭」の人気商品を中心に厳選された駅弁が並んでいます。
最新!「駅弁屋 祭」人気ランキングトップ10(2024年上半期)
ここでは、複数の情報源(じゃらんnet、media.jreast.co.jp、raillab.jpなど)で共通して紹介されている、2024年1月~6月の販売数に基づいた「駅弁屋 祭 グランスタ東京」の最新人気ランキングトップ10をご紹介します。長年愛される定番から、メディアで話題の駅弁まで、納得のラインナップです。
1位:牛肉どまん中

価格:1,480円(税込) 製造元:新杵屋(山形県米沢市)
不動の人気No.1に輝いたのは、山形県米沢市の「牛肉どまん中」。山形新幹線開業に合わせて1993年に発売されて以来、絶大な支持を得ています。山形県産米「どまんなか」をふっくら炊き上げたご飯の上に、秘伝のタレで味付けされた薄切りの牛肉と牛そぼろがぎっしり敷き詰められています。薄切り肉は一度下茹でして余分な脂を取り除くという丁寧な仕事が、美味しさの秘訣。牛丼風の甘辛い味付けはご飯との相性抜群で、老若男女問わず愛される味わいです。付け合わせには小芋、人参の煮物、かまぼこ、卵焼きなどが添えられ、最後まで飽きずに楽しめます。メディアでも度々紹介され、「駅弁界のスーパースター」とも称される、まさに東京駅駅弁の顔とも言える存在です。
2位:チキン弁当
価格:900円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
発売から60周年を迎えた(2024年時点)超ロングセラー、「チキン弁当」が2位にランクイン。1964年の東海道新幹線開業と同時に誕生した歴史ある駅弁です。噛むほどに鶏肉の旨みが広がる鶏唐揚げと、コクがありながらもあっさりとしたトマト風味ライスの組み合わせが特徴。トマト風味ライスの上には彩り豊かなスクランブルエッグとグリーンピースが乗り、見た目にも楽しい一品です。シンプルながらも完成された味わいは、子供から大人まで幅広い層に人気。2025年9月までは60周年限定パッケージで販売されるほか、期間限定で加熱式容器のデラックス版も登場するなど、常に進化を続けています。上皇陛下も好んだというエピソードもあり、その確かな美味しさが伺えます。
3位:炭火焼風牛たん弁当
価格:1,380円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
仙台名物の牛タン焼きを駅弁で手軽に楽しめる「炭火焼風牛たん弁当」が3位。1900年創業の老舗日本料理店「日本ばし大増」が手掛ける駅弁です。一枚一枚丁寧に焼き上げられた牛タンは、香ばしさが食欲をそそります。特筆すべきは、別添えの「塩竈の藻塩」。宮城県塩釜沖の海水を海藻を通して煮詰めて作られたまろやかな藻塩をかけることで、牛タン本来の旨みが一層引き立ちます。さらに、加熱機能付き容器を採用しているため、いつでもどこでも熱々の牛タンを味わえるのが大きな魅力です。冷めても美味しい駅弁が多い中で、温かい状態で楽しめるのは嬉しいポイントですね。
4位:まぐろいくら弁当
価格:1,450円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
海鮮系の人気駅弁として上位に食い込んだのが「まぐろいくら弁当」。「日本ばし大増」ブランドの駅弁で、甘味と酸味のバランスが良い酢飯の上に、わさび風味の漬けまぐろと、プチプチ食感のいくら醤油漬けがたっぷりと乗っています。旨みの強いまぐろと、濃厚ないくらの組み合わせはまさにベストバランス。箸休めの錦糸卵も良いアクセントになっています。具材にしっかりと味がついているため、醤油をかけずにそのまま美味しく食べられるのも手軽で良いですね。見た目も華やかで、海鮮好きにはたまらない逸品です。
5位:牛すきと牛焼肉弁当
価格:1,300円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
肉好きにはたまらない、すき焼きと焼肉を一度に楽しめる欲張りな駅弁が5位にランクイン。「日本ばし大増」ブランドの「牛すきと牛焼肉弁当」は、ご飯の上に牛カルビ網焼きと、関東風の甘辛いすき焼きが左右に詰め込まれています。すき焼きには味の染みた白滝や椎茸、牛カルビ焼肉にはもやしナムルが添えられ、中央には小松菜のナムルと煮卵が丸ごと1個。様々な味と食感が楽しめ、ボリュームも満点。まさに「文明開化気分」を味わえる、満足度の高いお弁当です。
6位:深川めし
価格:980円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
東京下町の名物料理を駅弁にした「深川めし」が6位。江戸時代の漁師飯がルーツとされるこの料理は、アサリの旨みが溶け込んだ茶飯に、江戸甘味噌と生姜であっさり煮付けたアサリの深川煮と、香り豊かなごぼうの炒り煮を盛り込んだ逸品です。アサリと茶飯を一緒に頬張ると、口の中に滋味深い味わいが広がります。近年は江戸甘味噌を使用することで、より江戸の味の再現度が高まっているとのこと。手頃な価格ながら、東京らしい味わいをしっかりと楽しめる駅弁です。
7位:えんがわ押し寿司
価格:1,480円(税込) 製造元:神尾商事(株)神尾弁当部(新潟県新潟市)
新潟県新津で120年以上続く老舗「神尾弁当部」が手掛ける「えんがわ押し寿司」が7位。幅3cm〜4cmという分厚いカレイのえんがわを、オリジナルの調合酢で締めて旨みを凝縮した押し寿司です。時間が経ってもほどよい脂が楽しめるよう計算されているとのこと。包みを開けた時の純白のビジュアルはインパクト大。わさび醤油で味わうと、脂の乗ったえんがわの旨みと酢飯のバランスが絶妙で、ついついもう一つ、もう一つと手が伸びてしまう美味しさです。
8位:仙台名物牛たん弁当
価格:2,080円(税込) 製造元:(株)こばやし(宮城県仙台市)
こちらも仙台名物牛タンの駅弁ですが、3位の「炭火焼風牛たん弁当」とは製造元が異なります。宮城県仙台市で1920年創業の老舗「こばやし」が作る「仙台名物牛たん弁当」が8位にランクイン。こばやしが扱う牛タンの中でも特に厚切りのものを、特製塩ダレで熟成させてから焼き上げており、旨みが濃厚で食べ応え満点です。ご飯は宮城県北部栗原地区の環境保全米「ひとめぼれ」を使用。ふっくら艶やかなご飯と厚切り牛タンの相性は抜群です。こちらも加熱式容器なので、熱々で美味しくいただけます。価格は他の牛タン弁当より少し高めですが、その分厚みと旨みが凝縮された贅沢な味わいです。
9位:とりめし
価格:980円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
鶏肉好きにはたまらない、「とりめし」が9位。鶏だしで甘めに炊き上げたご飯の上に、「軟骨入り鶏つくね」「鶏そぼろ味噌味」「鶏照焼き」「蒸し鶏塩ダレ和え」という4種類の鶏肉のおかずが乗っています。様々な調理法で仕上げられた鶏肉の味わいを一度に楽しめるのが魅力です。「日本ばし大増」ブランドの駅弁で、手頃な価格ながら満足感のある内容。ご飯だけでなく、ひじきの煮物やかまぼこ、卵焼きなども入っており、お酒のおつまみとしても楽しめそうです。
10位:えび千両ちらし
価格:1,580円(税込) 製造元:新発田三新軒(新潟県新発田市)
新潟県新発田市で1955年創業の「新発田三新軒」の看板弁当、「えび千両ちらし」が10位。この駅弁の最大の特徴は、見た目のインパクトとサプライズ感。えびのおぼろを乗せた出汁入り厚焼き卵の下に、エビ、イカ、うなぎ、コハダという4種類の具材が隠れています。厚焼き卵をめくると現れる彩り豊かな具材に、思わず笑顔になるでしょう。それぞれの具材は、エビは蒸して酢を通し醤油を絡める、コハダは酢で締めてからわさび醤油を絡めるなど、一手間かけて美味しさを最大限に引き出しています。新潟米のすし飯と具材の間にはおぼろ昆布が敷かれ、旨みがプラスされています。デパートの駅弁大会でも人気が高く、「JR東日本 駅弁味の陣2017」で駅弁大将軍を受賞した実績もある、隠れた名品です。
ランキングだけじゃない!「祭」で出会える注目のご当地駅弁
「駅弁屋 祭」には、ランキング上位以外にも魅力的なご当地駅弁がたくさんあります。ここでは、特に注目したい駅弁をいくつかご紹介します。
峠の釜めし
価格:1,400円(税込) 製造元:荻野屋(群馬県安中市)
1958年発売以来、累計販売数1億8000万個を超える国民的駅弁「峠の釜めし」。秘伝のダシで炊き上げた自家精米のコシヒカリの上に、鶏肉、ごぼう、椎茸、たけのこ、うずらの卵、栗、あんずなど9種類の具材が彩り豊かに盛り付けられています。かつては益子焼の土釜が特徴でしたが、東京駅で販売されているものは、軽量で環境に配慮したパルプモールド容器が主流となっています(益子焼容器も一部店舗で販売されることもあります)。優しい味わいと豊富な具材は、何度食べても飽きない美味しさです。
ひっぱりだこ飯

価格:1,380円(税込) 製造元:淡路屋(兵庫県神戸市)
1998年の明石海峡大橋開通を記念して誕生した、兵庫県西明石駅の名物駅弁。タコ壺を模した陶器製のユニークな容器が目を引きます。中には、柔らかく煮込まれた明石産のタコをはじめ、穴子、たけのこ、椎茸などの具材が、醤油ベースのおこわの上にたっぷり乗っています。タコのプリプリとした食感と、素材の味を生かした優しい味付けが特徴。食べ終わった後のタコ壺容器は、ペン立てなどに再利用する人も多いようです。見た目も楽しく、味も美味しい、旅の思い出になる駅弁です。
東京弁当
価格:2,000円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション(日本ばし大増)
東京駅ならではの駅弁として人気なのが「東京弁当」。東京の老舗7店の味を詰め合わせた、ちょっと贅沢な幕の内弁当です。「日本ばし大増」の江戸うま煮やきんぴらごぼう、「浅草今半」の牛肉たけのこ、「魚久」のぎんだら京粕漬、「すし玉青木」の伊達平焼、「新橋玉木屋」の白佃煮あさり、「酒悦」のつぼ漬、「舟和」の芋ようかんと、名店の味が一度に楽しめます。国指定重要文化財である東京駅丸の内駅舎が描かれたパッケージも魅力的で、東京土産としても喜ばれる一品です。
新幹線E7系弁当
価格:1,350円(税込) 製造元:JR東日本クロスステーション
子供に大人気の「新幹線E7系弁当」。北陸新幹線で活躍するE7系車両を模したお弁当箱に入っています。中身は子供が喜ぶ定番のおかず(おにぎり2種、唐揚げ、マカロニサラダ、ウインナー、海老フリッター、プチケーキなど)が詰め合わせられています。食べ終わった後もお弁当箱として使ったり、おもちゃとして遊んだりできるので、旅の思い出になるだけでなく、長く楽しめる駅弁です。大人も思わず手に取りたくなる可愛らしさですね。
いかめし
価格:880円(税込) 製造元:阿部商店(北海道森町)
北海道森駅の名物駅弁「いかめし」。1941年誕生の歴史ある駅弁で、駅弁イベントの売上ランキングで長年1位を獲得し続けるモンスター駅弁です。すべて手作業で作られ、秘伝のタレでじっくり煮込まれたイカの中にもち米とうるち米が詰められています。シンプルながらも、イカの柔らかさとタレの染み込んだご飯の素朴な味わいがたまらない逸品。東京駅でも購入できるのは嬉しい限りです。
おとなの焼き鯖寿し
価格:1,450円(税込) 製造元:番匠本店(福井県)
福井県の人気駅弁で、東京駅でも高い評価を得ているのが「おとなの焼き鯖寿し」。肉厚で脂の乗った焼き鯖と、葉わさびを混ぜ込んだ酢飯の組み合わせが特徴です。焼き加減、味付けともにレベルが高く、寿司屋の鯖寿司にも引けを取らないクオリティ。茎わさびが添えられており、大人向けの味わいを演出しています。ボリュームもあり、鯖寿司好きにはぜひ試してほしい駅弁です。
賢く駅弁を選ぶには?
「駅弁屋 祭」は常に多くの人で賑わっています。スムーズに目的の駅弁を手に入れるためのコツをご紹介します。
事前に目星をつける
150種類以上もの駅弁が並ぶ店内では、どれを選ぶか迷ってしまいがちです。特に混雑時はゆっくり選ぶ時間がないことも。事前にインターネットなどで気になる駅弁をいくつかピックアップしておくと、スムーズに購入できます。今回のランキングや注目の駅弁リストもぜひ参考にしてください。
混雑を避ける時間帯を狙う
一般的に、朝の通勤・出張時間帯(6時~8時)、昼食時間帯(10時~13時)、夕食時間帯(16時~20時)は混雑しやすい傾向にあります。可能であれば、これらの時間帯を避けて訪れると比較的ゆっくり選べます。土日祝日や大型連休中は終日混雑することが多いので、特に注意が必要です。
姉妹店やモバイルオーダーを活用する
乗り換え時間が短い場合や、特定の人気商品が欲しい場合は、「駅弁屋 踊」や「駅弁屋 祭 セレクト」を利用するのも手です。これらの店舗は「駅弁屋 祭」の人気商品を中心に扱っているため、品数は少ないですが、目的の駅弁が見つけやすいかもしれません。また、JR東日本の事前予約サービス「ネットでエキナカ」を利用すれば、事前に注文・決済しておき、「駅弁屋 踊」などで受け取ることができます。お目当ての駅弁を確実に手に入れたい場合や、時間に余裕がない場合に非常に便利です。
価格帯やジャンルで絞る
予算や好みに合わせて、価格帯や肉・海鮮・幕の内などのジャンルで絞って探すのも効率的です。店内にはジャンルごとにコーナーが分かれている場合が多いので、参考にしてみてください。
まとめ
東京駅「駅弁屋 祭 グランスタ東京」は、まさに日本の駅弁文化が集結した場所。全国各地の美味しい駅弁を一度に選べるのは、旅の出発点である東京駅ならではの醍醐味です。最新の人気ランキングを参考に、あるいは直感を信じて、あなただけの特別な駅弁を見つけてください。
旅のお供に美味しい駅弁があれば、移動時間もきっと忘れられない思い出になるはずです。次に東京駅を利用する際は、ぜひ「駅弁屋 祭」に立ち寄って、お気に入りのご当地駅弁を選んでみてください。きっと、あなたの旅がより一層豊かなものになるでしょう。
